ワクチン承認! 中絶薬承認! 2021年は自由の年!
親愛なる友人、パートナー、支援者、同僚の皆さん
2020年2月は「自由の女神、中絶薬の冠キャンペーン(The Liberate the Abortion Pill Crown campaign)」の幕開けでした。しかし、キャンペーン開始からわずか一週間後、世界はコロナウィルス危機の暗雲に覆われてしまいました。「コロナ 」はスペイン語で「冠」です。振り返ってみると、キャンペーン名は2020年を象徴するものでした。2020年は、新型コロナウイルス感染症危機のみならず、Women on Webのウェブサイト・インスタグラム・フェイスブックがブロックされ、性と生殖の権利が脅かされた、難多き一年でした。
Women on Webは、15年前の設立以来「遠隔診療による薬を使った中絶」に関する研究と出版を行ってきました。研究結果はどれも「薬を使った中絶は、安全で効率的であり、中絶をする本人にとって苦しくない」ことを裏付けています。特に新型コロナウイルス感染症危機・ロックダウンにある今、望まない妊娠をした人にとって、遠隔からの中絶薬提供は解決策です。郵送で中絶するための薬を受け取り、自宅で中絶を行うので、病院やクリニックなどに出かける必要はありません。中絶薬による中絶という中絶手段は、望まぬ妊娠をして中絶をしたいと思っている人が、自分の身体や人生に関して、主体的に決定することを可能にしているのです。
新型コロナウイルス感染症危機の渦中、 英国・ フランス・カナダ・ アイルランド・ 一歩遅れてアメリカ合衆国のいくつかの州では、薬を使った中絶が承認されました。中絶薬は困っている女性を解放しているのです!
また、米国タイム誌も、「遠隔診療による薬を使った中絶」の大切さを認めています。2020年、Women on Webの設立者レベッカ・ゴンパーツ(Rebecca Gomperts)はタイム誌に、2020年最も影響力のある100人(Time100)に選ばれました。
Women on Webは、オランダ政府と裁判所に対し「ロックダウン中、2時間以上家を空けることが出来ないシングルマザーが薬を使って自宅で中絶をすることができるよう、中絶薬を自宅に郵送することを合法にすること」を要求しました。残念ながらこの要求は却下されました。
新型コロナウイルス感染症危機にあって、適切な対策を講じなかった国々は取り返しのつかない状況になっています。失業率は上昇し、保険未加入の人々は中絶できない状況も多々あります。外出が規制されていることが多いので、クリニックや病院を訪れることが難しいこともあります。中絶が非常に制限されているか、禁止されている国に住む人は、外国に行かなければならない場合もありますが、多くの飛行機が欠航になったことは周知の通りです。ヘルスセクターは飽和状態で、学校も閉鎖したため、家庭内で暴力がある場合でも、家族は家に閉じこもる状況になりました。ここで、私たちが受け取ったメールを一つ紹介します。
「コロナウィルス危機下、外出が規制されているため、中絶を受けるために出かけることができません。私は祖父母と一緒に住んでおり、私が外出することは、ウィルス感染という意味で、高齢である祖父母にとって危険なのです。ですから、郵送で薬を受け取って家で中絶をしたいのです。今、学校も閉鎖しており、アルバイトもなくなってしまいました。この状況から脱しないと前に進むことができません。どうか、私を助けてください。」
2020年中、Women on Web は研究報告を通し、新型コロナウイルス感染症危機により、望まぬ妊娠をした人々が直面している困難な状況を発信し続けてきました。ブラジル・コロンビア・ドイツ・イタリア・マルタ・アメリカ合衆国での状況が特筆に値します。
多くの国で、私たちのウェブサイトや、ソーシャルメディアはブロックされ、制限されていますが、それでも、26言語で14万のメールに対応しました。
ポーランド政府は胎児に異常がある場合でも中絶を禁止すると決めたことを受け、Women on Webはポーランドに住む人が希望する場合、 無料で中絶薬を提供する活動を始めました。
アルゼンチン も中絶を合法化しましたが、2004年と2009年、Women on Webは中絶合法化のため活動に参加しました。活動が実を結んだことはとても喜ばしいことです。2021年には韓国で堕胎罪が無効になりましたが、私たちは、韓国でも2018年から法律改正を求め、共に活動してきました。昨年、12週までの中絶が合法化されたタイでも、私たちは2013年から活動を共にしてきました。
Women on Web、2021年の活動
中絶ピルを解放!
Women on Web は、更に多くの女性を支援できるよう対応言語を増やします。また、新型コロナウイルス感染症危機が、望まぬ妊娠をして中絶をしたいと思っている人々に与えている影響に関する研究を続けていきます。Women on WebやWomen on Wavesが受けているウェブ上での検閲・ウェブサイトのブロックと戦い続けます。
Women on Web はこれまで通り、中東などの中絶が難しい地域に住む人々を支援し続けます。また、Women on Wavesはオランダ国内に、滞在許可がなく居住している人々を支援できる資格を受け取りました。私たちの活動報告はまだまだ続きます!私たちの活動を応援するための寄付大歓迎です。Women on Webに寄付をしたい場合はこちらをクリックしてください。Women on Wavesに寄付をしたい場合、こちらをクリックしてください。
最後に、私たちの支援を受けた方からのメッセージを紹介します。
「Women on Webの支援にはずっと感謝し続けます。中絶が法律で規制されていることや、新型コロナウイルス感染症危機のため、自分の住んでいる場所で中絶を受けることができません。もし、Women on Webがなかったら、自分の人生や子供達は今頃どうなっていたんだろう、と思うとゾッとします。Women on Webに感謝しています。あなたたちのしている活動は、とても大切です。」
私たちの活動を応援してくださり、感謝しています。